三婆(さんばば)劇団文化座
有吉佐和子原作
小幡欣治脚色

かぼちゃの婆 武市 松子 (佐々木 愛)
電気くらげ 武市 タキ (有賀 ひとみ)
きつね富田 駒代 (阿部 敦子)

金融業者の武市が急死したため、
突然同居することになった武市の本妻と愛人、
妹の衝突を描く喜劇です。

自宅に押しかけてきた愛人、実妹の3人の高齢女性が奇妙な同居生活を始めたことから物語が展開します。

きつね (阿部敦子)・かぼちゃ婆(佐々木愛)・電気クラゲ(有賀さつき)

3baba

あらすじ

時は1963年(昭和38年)、金融業者の武市洪蔵、妾の駒代の家で急死する。
知らせを聞いて本妻の松子と浩蔵の妹タキが駆けつけた。
お互い「カボチャ婆」「電気クラゲ」「キツネ」と陰口をきいている三人の遭遇である。

四十九日も無事に済ませた松子は一安心するも、タキが兄の家に住むのは当然だと押しかけてきた。
さらに、駒代も新橋の料理屋の普請が済むまで部屋を貸してほしいとこれまた居座ってしまう。
かくして本妻と妾と小姑、一筋縄ではいかない三婆が一つ屋根の下に同居することになった、

本妻は妾と小姑を追い出したいのだがうまくいかない。
妾は見栄を張っているだけで、商売はうまくいっていない。
小姑と妾は他に行くところがないので、必死で居座る。
そこに武市洪蔵の会社で働いていた執事、田所が絡んでくる。
田所も職を失い故郷に帰るが、家族に邪険にされ家を出てきてしまう。

本妻は、部屋代をとろうとしたり、他の人に部屋を貸そうとしたりして何とか居候を追い出そうと画策する。

やっと2人を追い出すことが出来そうになった。
嬉しい松子はお別れに4人でお寿司を食べようと用意する。
しかし、引っ越しの用意に忙しい居候たちは一緒に食べず、お寿司だけもらおうとする。

一人でお茶を入れお寿司を食べようとする松子。
その時、自分がこの家に一人になることの孤独に気が付く。
そして、家族もいなく孤独な老後にたまらない不安を抱く。

明日出て行こうという、居候たちに思わず
「出て行かないで、ここに居て」
と泣きついてしまう。
女性二人は、
「仕方ない、いてあげるか」
と安堵する。
そして田所も一緒に住むことになった。
こうして4人の奇妙な同居生活が始まる。

それから、十数年たったある日。
立派なお屋敷の外観はボロボロになってしまったが、
元気な4人は幸せそうに暮らしていた。

そんな話でした。

老後のおひとり様になることの寂しさ恐怖のようなものを笑いの中で描いていました。
笑いながら、他人ごとではないものを感じました。
自分の老後を考えずにはいられませんでした。