私の仕事時代の大先輩が癌で余命宣告を受けてから1年がたちました。
宣告を受けた時は後3か月、長くて半年と言われたそうです。
でも先輩は、家で今ままで通りに、出来るだけ普通に生活すると言って頑張っていました。

2014年08月27日 普通に生活できることの喜び
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まずは余命宣告の3か月を過ぎることを目標に 9月
奥さんと先輩はとても仲良しです。毎日一緒に犬の散歩に行って
先輩が運転する車で、スーパーに一緒に買い物に行きます。
でも、
買い物に行っても転びそうで危ないので、店内に入らずに椅子に座って奥さんを待っているようになりました。 


次は半年を過ぎることを目標に 12月
暮れには「運転免許を返上したんだよ。危ないからね。」と寂しそうでした。
次に訪ねた時には、車庫から車もなくなっていました。


そして次は誕生日を目標に 
私たちが訪ねると車いすに乗っていました。
でも、帰るときは私たちを玄関まで車いすで送ってくれました。
 
  
そして結婚記念日を目標に   3月
「食欲がないんだよ。」とだいぶ痩せていました。
でも、私が持って行った和菓子を食べてくれました。


5月、「明後日からホスピスに行くよ。」と言われました。
あと3日しか家に居られないのか、もう家には二度と戻ってこれないんだと思うと、胸が締め付けられるようでした。
でも、顔は笑顔でお話をしました。つらかったです。


6月、ホスピスに移って一か月半になりました。
余命宣告から一年を過ぎようとしています。

ホスピスでも楽しく過ごすんだと、看護婦さんや見舞客に色々お話をしていました。
私達たちにも、自分の子どもの頃や若い頃の話を色々と惜しむように話してくれました。
初めて聞く話ばかりでした。
お母さんや兄弟との思い出も話してくれました。つらい話もありました。
大切にベッドの横の引き出しに入れてあった、幼いころに亡くなったお母さんのセピア色の
写真も見せてくれました。


今日、先輩をホスピスに訪ねると、「息苦しんだよ。」と鼻に酸素の管がありました。
とても痩せていました。
ずっと ずっと 生きていてほしい。
話していて、私は笑顔が引きつりそうになるのを抑えるのが難しかったです。

夫と私はいつも二人でお見舞いに行きます。
夫にとっても私にとっても大先輩でたくさんお世話になった人です。

「また来るね。」と握手して帰ってきました。
お互いの手に触れると、温かくて生きているという実感がわきます。
病院に訪ねた時も、まず握手します。先輩の手が温かいとホッとします。

行くたびに弱っていく姿を見るのはとてもつらいのですが、生と死に向き合っている先輩から目をそらしてはいけないと思っています。

先輩が自分の生きた証にと私にくれた自作の鎌倉彫のお盆、夫にくれた鎌倉彫のレリーフ。
見るのはちょっとつらいのですが、レリーフは飾っています。


皆既月食  赤銅色の月

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